外国人専門の密淫売
其中には「外国人専門」の暗娼が居る、外人を「洋鬼」と称し排外思想を持って居る支那人が、鬼の如くに忌み嫌って居る外国人に対し、肉を提供するのであるから其苦痛たるや、降るアメリカ以上でなからねばならぬのだが、馴れて来るとそうした考へは何処へやら消え失せて終ひ、反って支那人を客とするよりも総てが便利になって来るといふことだ、それにはわけがある、(一)報酬を多く得られること、(二)支那人に秘密の保てること、(三)情実が絡まざること等が彼等に執りて好都合であるのだ、故に一旦外人専門となれば支那人は馬鹿々々しくて相手になれぬといふことである。一歩進んで外人の「妾」となれば更に便利である、毎週何回と日と時を定めて出張す れば足りるので、それ以外は他に客を取るなり、又は家にあって遊んで居ることが出来るのである。其辺の呼吸は日本の「洋妾」と同様である。しかし所謂「かこひもの」となって一定の場所に囲はれるのは此種の暗娼には絶対にない、何となれは彼等は、表面は良家の婦女を装ふて極めて内密に稼いて居るからである。外国人に使用されて居る夥計と暗門子とは大概連絡がある、独身者には夥計の方から好姑娘を取持ってあけませうかと勧誘することがある。