支那の売笑
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一、前がき

売笑婦は社会の一要素

要するに、公娼の存在は、国家が売淫を認めて居ることになる。売淫は罪悪にして害毒の源と称しつゝ、古今殆ど凡ての国家が之を許可して居る。国家は罪悪的営業は許さぬ筈である、それを公認して居るのは矛盾して居るやうだが、畢竟社会的に必要と認めたからである。斯くの如く売笑婦は、社会の止むを得ざる一要素として存立する以上は、其国状を研究するには、其状態を知る必要がある。また彼等の周囲に絡はる幾多の波瀾は、社会研究上より観て、興味の深いもので、人情の推移を知るには、最も適切なるヒントを与ふるものである。殊に支那に於ける売笑婦の発達や現状は、他の国とは趣を異にして居る点が多い。支那の興亡史を繙く者は、其裏面に潜む「女」といふ一字を閑却してはならぬ、従つて現代支那の社会状態、及び国民性を知らんと 欲せば、是非とも、売笑婦の研究を、忽諸に附することはできぬのである。

然るに、従来、支那に於ける売笑婦の研究は、中外人共に殆んど閑却されて居る。士君子の近寄るべからざるものとされ、学者はこれを顧みない。たまたま発表せられたるものを見るに、所謂高等研究で、机上の空論が多い、実際に触れた深刻なる点を欠いて居る。詩で其国の人情を知るよりも、俚謠で世態を知るのが適切であり、且つ広いのである。その意味に於て、私は所謂高級研究ではなく、自らその渦中に投じて、濁水の中から何物かを撈取しやうと思ひ、北京に於ける売笑婦の実際に就て研究して見た、その収獲を忌憚なく記述したのが此一編である。

一、前がき

  1. 売笑婦は文化的副産物
    1. 廃娼は絶対に不可能
  2. 売淫は罪悪でないとの説
    1. 功過格の思想から見た売淫
  3. 国家が売笑婦を保護する
  4. 売笑婦は社会の一要素
    1. 支那の興亡と女
    2. 売笑婦研究の必要
    3. 売笑研究と著者の態度
    4. 濁水の中から得た収穫
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