支那の売笑
七、打茶囲

友人招待の憲法

現在日本では、所謂紳士が待合に出入するのは、殆んど公然となつて、自他共に怪まぬやうになつたが、それでも未だ多少遠慮気味が含まれて居る。待合入や廓通ひを直ちに社交機関と名附くる迄には進んで居ない。そこに行くと支那の「打茶圍」は、社交機関と命名して差支ない、又実際に於て社交界になくてならぬ機関として活用されつゝあるのである。支那で「打茶圍」をやることを「応酬朋友」といふ、言を換へて言へは打茶囲は朋友を応酬することとなる、朋友知巳を接待するには、先づ料理屋に於て御馳走をし、それから芝居に案内し、それが済んでから打茶囲をやる「吃飯聴戯逛◯子」(飯食ひ、芝居見物女郎屋遊び)といふ言葉は支那に於ける友人招待の憲法である。支那に居て実際支那人と交際するには、此三つの呼吸を心得て置く必要がある、科理に通じ、劇を解し、打茶囲の要領をわきまへて居らねばならぬ、此三つに精通せねば真の支那通と称することは出来ぬのである。

打茶圍 静亭主人

看花客喜夜中行。到処燈籠蝋燭明。

羊角銑絲須細認。分他叙弁両堂名。

(都門竹技詞より)

七、打茶囲

  1. 打茶囲は社交機関
    1. 家庭の社交的欠陥
    2. 日本の待合との比較
  2. 友人招待の憲法
    1. 吃飯、聴戯、キョウ(しんにょうに狂)窰子
    2. 打茶囲の竹技詞
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