支那の売笑
AV女優 募集
巻頭

凡例

一、本書は、大正十年六七月頃「北京繁昌記」の一部として「京津日日新聞」紙上に連載せるものに、大補訂をなしたものである。

一、内容よりすれば「支那の売笑にとするよりも「北京の売笑」と題するのが至当であるかも知らぬが、花街の状況は全国大差はないのと、殊に巻頭に「支那売笑史」を掲げて置いたから「支那」と冠したのである。

一、「支那売笑史」の材科を蒐集する上に相当の苦心をした、従来此種の纏つたものは発表されて居らぬらしいので、雜書から零碎なる記録を集めて、兎に角時代を追ふて書いて見た、苦心の割合に不完全なものが出来あがつたが、更に材料を蒐集して補訂するつもりである。最初新聞で発表したものとは全然異つて居る。

一、売笑史を中央集権的即ち帝王を中心として記述したのも、材料の乏しい為めで已むを得ざることである。

一、現在北京の花街に関しては、自ら其渦中に投じて探知し、又にその道の達人に就て調査したが、偖て之を記述する段になると案外而倒であつた。

一、「打茶囲」及「忌諱と迷信」に就ては、もすこし書きたかつたが、紙数の都合でその一般を述べたに過ぎない、いづれ「支那の社交」「支那の神様」「支那の迷信」等を出版する時に詳記しやうと思ふ。

一、本編の外に妓女に関しては、妓女と文学、妓女の生活状態、南北班の比較、妓女と花柳病、妓女と犯罪、妓女と社会、政治と妓女、流行と妓女、妓女の身元、妓女となるまで、妓女の周旋業、妓女の始末、妓女と運命観等の材料を蒐集して居るが、これも紙数の都合で掲載し得なかつたのを遺憾とする。

一、巻頭妓女の写真は、北京に於ける流行妓、妓女の服装、頭髪の種類、容貌の異つたものを選んで掲げた。

AVプロダクション LINX